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2023/06/12
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鉄骨造ALCタイル貼り
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こんにちは、清水です。

建物には木造とか、鉄筋コンクリート造とかありますよね。
その仲間に鉄骨造があります。
大雑把に括ると、一戸建てなどの小規模な建物は木造が多いです。
大規模なマンションは鉄筋コンクリート造が多く、
中規模なアパート・マンションは鉄骨造が多いです。
(※物流倉庫などは大規模ですが鉄骨造有り。)
概ね、費用対効果に則っているのでしょうか。

そんな中の鉄骨造に今回は、スポットを当てたいと思います。
鉄骨造の多くは、下地にサイディングボードを貼ったり、
ALCパネルを貼ったりして外壁を構成しています。
その中でALCパネルだと味気ないので、意匠性を高めるためか、
改修工事の経済性を高めるためか分かりませんが、
表面をタイル貼りにしている建物を見かけます。
その建物を良く見ると、タイルが縦一直線に割れていたり(写真1)、
タイル目地がやはり一直線にクラックが入っていたりします(写真2)。
まだ知識が無かった頃、何でこんなに綺麗に割れてるの?
と思いましたが、建物の構造などが分かってくると、これは
当然のごとく割れるなと考えるようになりました。

それはALCパネルはパネル間をコーキングで繋ぎ合わせて
いきます。これは勿論、地震などの揺れを吸収するためです。
その表面にタイルをビッシリ貼り付けたら、ALCパネルの揺れに
追従するわけがないですね。クラックなどが入っている箇所は、
このコーキングの直近がほとんどです。
クラックが入っても、その後何もなければ良いのですが、
タイルのお陰で、コーキングの劣化状況や、ALCパネルの
クラックなどが全然見えません。タイルのクラックの裏のパネルに
同様にクラックが入ると雨漏りに繋がります。
(厳密にはその内側にルーフィングがありますが浸水で劣化します。)
万が一、雨漏りが始まるとタイルの割れは見つけられますが、
その内側の原因を発見することがほぼ困難です。

実はこの案件、非常に多いのです。下地のモクが完全に腐ってしまい、
下地を総取替えして、改めてパネルを貼り、タイルを貼付け
大規模な修繕に繋がります。

結果、改修工事費の大幅な増大へと直結です。

参考写真として、解体中の鉄骨造ALCタイル張りの
建物の写真を載せます。タイルの内側のグレーのボードが
ALCパネルです(写真3・4)。

現在も新築で継続して採用しているかは存じませんが、
この構造は早くやめた方が、良いのではないでしょうか。